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第15話「金型修理はキンコちゃんに」

投稿日:

オールマイティーキンコちゃん

金型の修理って何ですか?

金型の“修理”は、別名“メンテナンス”、“補修”なんていうんだけど、長年使われた金型が疲労などで壊れてきて、それを元の状態に戻したり、新たな追加部品などを加えて、金型を使いやすくする作業を言うんだよ。

へぇー、そうなんですね。あんなに硬い材質の金属で製造されている金型なのに、壊れてしまうんですか?

ダイカスト金型は、600~700℃の溶融されたアルミが圧入されて使われているんだけど、これが金型にとっては非常に厳しい環境でね。
常温とこの700℃の高温で温度が激しく変動することによって、金型が伸縮し、ヒビ割れてくるんだよ。
だからそれを溶接などをして肉盛りし、その後MCや放電などで加工して、元の形状に戻し、長くお客様に金型を使ってもらうんだ。

金型も苦労しているのですね。そのヒビ割れの溶接はどれくらいの頻度で行うんですか?

ダイカスト金型の寿命は一般的に10~15万ショットと言われているんだ。この寿命の間に何度も溶接修正するんだけど、予防メンテナンスに細心の注意を払っているお客様は1万ショット以下で金型を検査して、必要であれば溶接修正しているね。また製品の厚みや形状によって、ヒビ割れの頻度も変わってくるから、そこは状況に応じての判断が必要だね。

(1ショットとは、「金型を閉じて、中にアルミを圧入して、冷却固化した後、金型を開いてダイカスト製品を取り出す」の1サイクルのことだよ。)

今回のまとめ

金型修理では、まずは新品の状態での設計データがあることが重要です。それを基準として金型を復元していきます。またもし設計データが無ければ、修理職人の長年の経験と勘が頼りになってくるので、この工程では、「デジタルとアナログの融合」が非常に重要です。

金型修理では、主に以下のような事例があります。
ヒビ割れ修正
長時間の使用による疲労で発生する。別名「クラック」、特に熱応力によって発生するものは「ヒートチェック」とも言う。
ヒートチェックは、初期段階では肉眼で発見できないほど微細なものであり、くもの巣のようにネット上に発生する。このままにしておくとサイクル数の増加によりクラックの進展や大割れの原因となる。
湯回り変更
鋳巣の改善や良品率の向上を目指して、アルミが圧入される入り口(ゲート口)やアルミが製品部から抜け出すオーバーフロー口などを変更することを「湯回り変更」という。

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