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第8話「放電加工?!」

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放電加工?!

放電加工が置いてあるこの製造現場では何を作るんですか?

ここでは、金型部品の中で最も精度が必要とされる入子やスライドコア(中子)などに対して、回転工具(マシニングセンタ)では加工が困難な隅部や細溝、深穴、複雑形状などを加工しているんだよ。

どうやって加工するんですか?

基本的には、油などの絶縁体の液体に電極と呼ばれる工具と通電性のある被加工物をセットして、とても短い距離(数十μm)を隔てて、電極と被加工物との間にパルス状にアーク放電を発生させて、溶融させ、加工するんだよ。

パルス状? アーク?

パルスについてだけど、1つのパルスで放電が生じるのは1点だけなんだけど、毎秒数千から数万という数で放電して、あたかも加工面全体で同時に多数の放電が発生しているように見えるんだよ。

アークについてだけど、アーク中心部では6,000~7,000K(ケルビン:絶対温度)という高温に達するため、放電点では工作物を短時間で溶融、蒸発させて微小な放電痕を成形させるんだ。

つまり放電加工とは、電気のスパークを利用して、加工したい部分の表面を溶かして、蒸発させているんですね。

その通り!放電加工は金型を製作するために広く用いられているよ。
放電加工は、electrical discharge machiningと書くからEDMとは言われるね。

今回のまとめ
放電加工の利点としては、以下のようなものがあります。
1.刃物では加工が困難な硬い金属などの材料を加工することができる。
2.マシニングセンタでは加工が困難な複雑形状を加工できる。
3.加工のときに被加工物に与える力(反対方向へ押される力)がない、薄い被加工物でも変形しない。
放電加工には主に以下の種類があります。
1.型彫り放電加工
銅や黒鉛(グラファイト)で作られた電極の形を被加工物にそのまま写すことができる加工方法です。複雑な凹形状を持つ金型の場合、それらの形状に比べて目標の形と逆の凸形状の方がMCなどの工作機械の刃物が入りやすく、加工が容易です。欠点として、電極を作らなくてはならず、工具製作の時間が多くかかりますが、それでも加工時間やコストなどを総合的に考えると、放電加工で加工した方が有利なこともあります。
2.ワイヤ放電加工
細いワイヤを電極として、糸鋸盤のように複雑な形を切り抜く加工です。電極となる細いワイヤの材料としては、真鍮やタングステンが一般的です。ワイヤはロール上に巻かれた部分から一定の速さで供給され、上下のワイヤガイドで位置精度を保たれ、ワイヤガイドの相対位置を適切に制御してテーパや上下異形状などを加工することができます。

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