下図はフジイ金型で働く方々の年齢別のグラフです。10代の若者から、70代の熟練まで幅広い年代の社員が在籍しています。2021年12月時点での平均年齢は38歳です。
このように年齢構成に偏りが少ない職場になったのは偶然ではなく、リーマンショック※の一時期を除き、毎年の採用を定常的にし続けた結果です。
※リーマンショック時の状況については、「創業40年のあゆみの飛躍期」突然のリーマン・ショック章をご参照ください。大変な不況に見舞われましたが、最終的には全社員の雇用を維持しました。
フジイ金型では年齢のバランスを重視しています
あくまでも一般論ではありますが、若い人の多い職場は、活気があって新しいことにも果敢に挑戦するという面があります。しかし、経験が乏しいという弱みもあります。逆に平均年齢の高い職場は、経験があるゆえに保守的になりがちです。
やはり、良い職場というのは、若い人から熟練の経験者までがまんべんなく在籍し、相互に影響しあうことであろうとフジイ金型では考えています。「若い人がいて活気があっていい」「難しい問題があっても熟練の人に聞けば解決する」という声が聞こえる職場です。
技術の継承も重要と考えています
一品一品をオーダーメイド品として生産するダイカスト金型は、大きく複雑なものだと製作に三ヵ月以上もかかり、価格も1,000万円を超え、使用期間が10年を超えることも珍しくありません。注文があったらすぐ出来合いのものを売って終わりといような製品とは異なり、設計や製作のノウハウが重要ですし、修理や改造などの保守サービスの提供も不可欠です。さらに、寿命が来たという理由で、10年以上も前に製作したのと全く同じ金型の製作を依頼されることも珍しくありません。
そのようなお客様からの期待にこたえ続けるためには、技術やノウハウを先輩社員から後輩社員に安定的に引き継がなければなりません。そこで、どんな些細なことでも気軽に相談できる年齢の近い先輩がいるようにすることが大切だと考えています。一方で、古い技術のことや難しい課題についても、すぐに確認できるよう熟練社員も同じ職場内にいるようにしています。
このような考えに基づいて定常的な採用を続けた結果、自然とバランスの取れた年齢構成になっています。さまざまな年齢の先輩社員がいることで、自分が次にどんなスキルアップを図ればよいのかが日々実感でき、キャリアプランを考える機会を自然に得られるのも良い点です。