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金型図面(製品図、素材図、型レイアウト図)について

    ダイカスト金型を製作するためには型レイアウト図という図面が必要となります。しかし、型レイアウト図をいきなり作図することはできず、製品図、素材図という設計図面が必要になります。ここでは、それぞれの図面の役割について、概念図をもちいて作図順に説明していきます。

    製品図

    製品図図1:製品図(概念図)
    一般的にはメーカーの設計者が作成します。

    ダイカスト金型を作るうえで最初に作図されるのが製品図です。

    製品図とは製品や部品といったダイカスト金型で大量生産したいものの形状を表した図面です。

    一般にこの図面は当社のような金型会社ではなく、ダイカスト鋳造をするメーカーや、最終のセットメーカーの設計者が作成します。民生品のようにデザイン性が重視される製品の場合は、工業デザイナーが作成する場合もあります。

    ここでは図1のようなコップ状の製品を想定して説明を続けます。


    素材図

    素材図図2:素材図(概念図)
    ダイカスト鋳造メーカーの設計者と打ち合わせを行い、ダイカスト生産に適した形状に変化させます。このような対応ができるのは、設計部門をもつ一部の金型会社に限られます。

    製品図をダイカストで生産するのに適した形状に変化させたものが、素材図です。製品に求められている機能、性能を損なわない範囲で形状を変化させています。

    図2の素材図は、図1の製品図を以下のような理由で変化させたものです。

    1. 内側壁面に大きく抜き勾配を付けています。この抜き勾配がないと金型から製品をとりだしにくくなり、生産性が下がります。
    2. 無駄な厚さがあった底面を一部薄くし(「肉盗み」などともいいます)、金型内に流し込むアルミや亜鉛などの鋳込み材の使用量を抑えます。製品の軽量化とともに材料コストの削減にもつながります。

    実際の設計の際には、これ以外にも鋳込み材の充填、後工程での機械加工なども考慮した形状に変化させます。

    当社の場合は、所属は営業部ながら実は10年以上の設計経験を有するベテランエンジニアが、シミュレーションツールなどの検証も踏まえて何度もお客さまと打ち合わせを行い、最適な形状を提案します。金型エンジニアとしての技術と経験に差がでる核心部分です。


    型レイアウト図

    型レイアウト図図3:型レイアウト図(概念図)
    金型会社の設計者が作図します。小規模な金型会社では、この設計機能すらない場合があります。フジイ金型の場合はもちろん100%自社設計です。

    素材図をもとに設計したものが型レイアウト図です。これが生産するべき金型の最終的な図面となります。

    ここでもダイカストマシンへの取付、メンテナンス性、金型の強度、金型冷却装置、押し出しピン配置など具体的なノウハウが図面に反映されていきます。

    当社では、さまざまなCADシステムを使用して設計部門がこの作図を行い、お客さまの承認をもって、オンラインで接続した製造部門が生産を開始します。


    実物と図面の関係のまとめ

    型レイアウト図

    図3の型レイアウト図です。

    金型実物

    この型レイアウト図をもとに作られたダイカスト金型に、アルミなどの湯を流し込んだ状態です。(※実際には、高い圧力がかかっていますので、このような開放系ではありません。あくまでも説明用のイメージ図です。)

    製品実物

    冷却後、ダイカスト金型から取り出したもの(ダイカスト鋳造品)が製品となります。

    この取り出した製品の形状は、素材図(図2)と一致します。

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